イーコラム_地球と生物の不思議

「氷河期のメカニズム」

氷河期は起こる原因とは?  
イーコラム_地球と生物の不思議氷河期のメカニズム


はじめに・・・


前回では、氷河期の中には氷期(寒冷な時期)と間氷期(温暖な時期)があり、「現在の地球は、氷河期の中の間氷期にある」という見解のもとで、現在の地球が再び氷期に突入する時期について書いてみました。
それで、今回は氷河期の原理というか、「なぜ、氷河期は起こるのか?」というような氷河期が発生するメカニズムについて、好きなように書いてみたいと思います。



過去の氷河期は?


先に、過去の氷河期について調べてみると・・・
「地球誕生から46億年。過去には何回の氷河期があった!」というような断定論はないというか、諸説あることが現状になりますが、現在の新生代氷河期を含めて概ね4〜6回だと推測されているようなので、当サイトでは手広く全6回として一覧にしておきます。
ちなみに、「現在が氷河期?」と疑問に思われる人は、前回の「地球温暖化と氷河期」を見て下さい。

年代 名称 状態
24億年前〜22億年前 ヒューロニアン氷河期 全球凍結(スノーボールアース)

7億6000万年前〜7億年前 スターチアン氷河期 全球凍結(スノーボールアース)

6億2000万年前〜5億5000万年前 マリノアン(ヴァランガー)氷河期 全球凍結(スノーボールアース)

4億5000万年前〜4億2000万年前 アンデス・サハラ氷河期

3億6000万年前〜2億6000万年前 カルー氷河期

300万年前〜現在 新生代氷河期(注1) 氷期には全陸地の27%が氷床

*注1
新生代氷河期については、「4000万年前〜」と書かれたり、「200万年前〜」と書かれたりもしますが、氷河期のはじまりを氷床の発生時期とするのか、拡大時期とするのかなどの見解の違いから意見が分かれるようです。
また、新生代氷河期という名称が適切か否かは不明です。名称がなければページが作成しにくいという理由から、仮称として使用しています。




全球凍結(スノーボールアース)


上の一覧の「状態」という項目の中に書かれている「全球凍結(スノーボールアース)」というのは、左図のように地球全体が氷床に覆われた雪球のような状態を示します。
赤道付近さえも氷床に覆われた完全な氷の世界だったと考えられていますが、赤道直下の一部地域では辛うじて氷床に覆われることを避けられたとする見解もあります。
全球凍結(スノーボールアース) 元画像:「スノーボールアース - Wikipedia」様


全6回の氷河期のうち、全球凍結にまで達するような強烈な氷河期は1〜3回目(ヒューロニアン氷河期、スターチアン氷河期、マリノアン氷河期)までであったと推測されていますが、この1〜3回目というのを地質年代でいうと、「原生代(25億年前〜5億4000万年前)」にあたります。
一方、顕生代(5億4000万年前〜現代)の氷河期が全球凍結にまで達するようなことはなく、例えば新生代氷河期の場合だと、氷期でも全陸地の27%程度、亜氷期である現在では10%程度が氷床に覆われるにとどまっていると推測されています。

つまり、言葉のうえでは同じ氷河期であっても、原生代と顕生代では寒冷化へのレベルが違うということになりますが、そのような差が生じる原因のひとつとして、「太陽放射の差」が上げられています。



太陽放射の差


地球誕生時 原生代初期 原生代後期 現在
70パーセント 83パーセント 94パーセント 100パーセント

恒星進化論によれば、恒星にも生物のような一生があり、誕生→成長→衰退→死のプロセスがあると考えられ、「誕生時である46億年前の太陽は、成長期である現在の太陽よりも小さかった」とされます。
その為、太陽から放たれる熱エネルギー(太陽放射)も現在よりも小さく、仮に現在を100%とすると・・・原生代後期は94%、原生代初期には83%、46億年前の誕生時では70%というように、年代を遡るにつれて弱まっていくと推測されます。
(恒星である太陽と、その惑星である地球などからなる太陽系の誕生は約46億年前だと推測されています。)

つまり、「原生代は太陽放射が小さかったので、全球凍結にまで達するような氷河期になったのではないか?」と推測されるということで、「なるほど!」という気もしますが、その一方では「全球凍結にまで至ったマリノアン氷河期の終わりと、小さな氷河期ともいわれるアンデス・サハラ氷河期のはじまりとの期間は約1億年。その1億年間で急激に太陽放射が増えるのかな?」という気もします。

それで、実際のところは・・・太陽放射の差よりも、下記の氷河期のメカニズムの中で書いている「1.二酸化炭素濃度の低下」の差や、「2.大陸の配置」の差などが、大規模な氷河期になるのか否かの差を生じさせる要因だと考える傾向にあるようです。



氷河期のメカニズム


では、地球に氷河期をもたらす原因とは何なのか?
残念ながら、「これが氷河期のメカニズムだ!」とする確定論はなく、「これが原因のひとつではないか?」というような推論にとどまりますが、ここでは代表的な学説のいくつかを順不動でピックアップして書いてみたいと思います。

1.二酸化炭素濃度の低下
地球温暖化対策として「CO2削減」に取り組んでいる現状が示すように、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が下がれば気温は低下します。
そして、そのことから推測できるように、「過度の二酸化炭素濃度の低下が氷河期を招くのではないか?」と考えることができます。
現在の地球の表面温度(平均気温)は約14度に保たれていますが、そのような表面温度に保つ働きをしているのが二酸化炭素に代表される温室効果ガスであり、「もしも大気中に温室効果ガスがなかったら、地球の表面温度はマイナス18度になるだろう」とする試算があります。

書くまでもないことですが、地球の熱源は太陽放射(太陽から放たれる熱エネルギー)です。
一方、地球は太陽放射の全てを吸収するのではなく、雲や氷床、エアロゾル(火山の噴煙に含まれる微粒子)などによって反射する割合(反射率)があります。
つまり、「太陽放射−反射量=地球が吸収する太陽放射エネルギー」というような図式になり、吸収した太陽放射エネルギーによって地表は温められるということになります。

暖められた地球からは、「地球放射」と呼ばれるエネルギー(目に見えない赤外線)が宇宙に対して放たれますが、この地球放射の90パーセントを吸収するのが大気中にある温室効果ガスであり、吸収した赤外線によって暖められた温室効果ガスからは、地表と宇宙へ向けて赤外線が再放射されます。
地表へ再放射された赤外線は地表を暖めた後、地球放射され、その90パーセントが温室効果ガスに吸収されるということを繰り返すのですが、その繰り返しによって、地球の表面温度は約14度に保たれているとされます。文字どおり、温室効果です。

逆にいえば、「大気中に温室効果ガスがなければ、地球放射される赤外線の全てが宇宙へ逃げてしまうので、地球の表面温度はマイナス18度にまで下がってしまう」ということになります。
やや極論になってしまいましたが、「大気中の二酸化炭素濃度が過度に低下すれば、温室効果も大幅に弱まるので、地球は寒冷化し、氷河期を招く。」ということになります。


2.大陸の配置
新生代氷河期を例にあげれば、南半球では約4000万年前に南極の氷床の成長がはじまり、約3000万年前には巨大な氷床になったとされ、一方の北半球では約300万年前から氷床の発達がはじまったとされますが・・・
この4000万年前〜3000万年前、そして300万年前という時期は、現在の大陸の配置を考えるうえでの大きなキーポイントになります。

5000万年前のテチス海の地図ひとつの巨大大陸(超大陸)であったパンゲアが約2億年前から分裂をはじめたことによって、約4000万年前までにユーラシア大陸とインド亜大陸が衝突。その結果、ヒマラヤ山脈などを形成し、テチス海をほぼ消滅させたと考えられています。
約5000万年前のテチス海とインド亜大陸
画像:当サイト「テチス海」より / 元画像:「DOL Dinosaur Omnipedia」様


また、ほぼ同時期にはオーストラリア大陸と南極大陸が分離し、南極大陸はほぼ現在の位置に収まったとされます。
そして、北アメリカ大陸と南アメリカ大陸が地続きになったのは約300万年前であると考えられていますが、そのような大陸の配置の変化が新生代氷河期を引き起こした原因のひとつではないかとされます。

例えば、ヒマラヤ山脈は大気循環を一変させ、その影響は成層圏(高度10km〜50km)にさえも及ぶと考えられています。
また、赤道付近にあったテチス海が消滅したことにより、テチス海で生成されていた暖かな深層水も消滅することになります。
そして、パナマ地峡が形成されたことによって、両大陸間を流れていた暖流が遮断されることになります。

つまり、「大気循環や海流の変化などが気温の低下を招くのではないか?」ということになりますが、そのような変化をもたらす原因は大陸の配置の変化だと考えられるようです。
また、上記「1.二酸化炭素濃度の低下」というような現象をもたらす原因も大陸の配置の変化だとされます。
* それぞれの詳細は当サイト「パンゲア大陸」、「テチス海」、「パナマ海峡」の中で書いています。


例えば、地球上に超大陸が存在した時期は前述のパンゲア大陸を含めて4回あったと考えられていますが、3回目の超大陸であるロディニア大陸は約10億年前に誕生し、約7億7000万年前から分裂をはじめたと推測されることから、「スターチアン氷河期(7億6000万円前〜7億年前)」と「マリノアン氷河期(6億2000万年前〜5億5000万年前)」が発生した要因のひとつだと考えられるようです。
* ロディニア大陸の誕生や分裂の時期については諸説あります。


ロディニア大陸は赤道付近に小さく分裂していったと考えられていますが、赤道付近は雨量が多いため、激しい雨が陸地を浸食し、陸地上のカルシウムやマグネシウムなどの元素をイオン化して海へと流します。
また、激しい雨は大気中の二酸化炭素を溶かして海へと流します。

その結果、海中ではイオンと二酸化炭素とが結びついて大量の炭酸塩の沈殿物をつくることになるのですが、炭酸塩の沈殿物には大気中の二酸化炭素を減少させる性質があることから、地球は温室効果ガスである大気中の二酸化炭素を大幅に減少し、全球凍結(スノーボールアース)にまで達するような氷河期になったとされます。
一説によれば、全球凍結時の地球の平均気温はマイナス50度、氷床の厚みは1000m以上にも達したとされます。


3.太陽の公転
地球は約24時間で自転(1回転)して、約365日で太陽の周りを公転(1周)しています。
同様に、太陽は約27日〜29日で自転して、約2億2600万年で銀河系内を公転すると考えられていますが、銀河系内には「ちり」の濃い領域や薄い領域があり、太陽が「ちり」の濃い領域を通過する際には「ちり」が障害となって、地球が受ける太陽光が減少することから気温の低下を招くのではないかとされます。


4.その他
ミランコビッチサイクル(地球軌道要素の変化による日射量の計算)や、日傘効果(火山の噴煙による太陽放射の減少)などが上げられていますが、個人的には「氷河期のメカニズムというよりも、氷期と間氷期のメカニズムや、亜氷期と亜間氷期のメカニズムになるのではないか?」と思ったりするので、別の機会に新しいページとして書きたいと思います。


参考サイト:「地球システム変動とスノーボール・アース現象」様
参考サイト:「板橋村だより:アメリカ(2)-最後の氷河期」様
参考サイト:「氷河時代 - MSN エンカルタ 百科事典 ダイジェスト」様
参考サイト:「ヒマラヤ山脈が成層圏に及ぼす影響」様
参考サイト:「1_38 原生代3:全球凍結」様
参考資料:「地球温暖化(株式会社ニュートンプレス)」様

2008/10/14 NEW (イーコラム)


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