イーコラム_地球と生物の不思議

「地球温暖化と氷河期」

温暖化が進めば地球は氷河期になる?
イーコラム_地球と生物の不思議地球温暖化と氷河期


はじめに・・・


「温暖化が続けば、寒冷化を招く・・・」
上のセリフは2004年に公開されたアメリカ映画「デイ・アフター・トゥモロー」からの抜粋になります。
デイ・アフター・トゥモローの日本での興行収入は約52億円で、歴代85位(2007年までの推計)にランクされる人気作品・・・という事で、今さらながらという気もしますが、この映画が伝える「温暖化が進めば、地球に氷河期が訪れる」というメッセージの現実性について書いてみたいと思います。



氷河期とは?


「氷河期(氷河時代)」という言葉は時々、日常会話でも話題になったりします。
そういう時には、「氷河期は終わった」と考える人達が多数派となるようで、「最後の氷河期は約1万年前に終わった」と断言する人達も少なくありません。
また、その一方では少数派ながらも「氷河期は終わっていない」と考える人達もいます。

体高1mのマンモスの図氷河期というと、雪と氷に覆われた厳寒の世界に、マンモスのような寒冷地に適応した大型哺乳類が闊歩する・・・というようなイメージを管理人自身はすてきれません。
そういう意味では、地球温暖化といわれる現在が氷河期であるとは思えないのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
コビトマンモス 画像:当サイト「矮小動物(わいしょうどうぶつ)
(マンモスの仲間には、体高1mほどの小さなマンモスもいました・・・。)



氷河期について、気象庁では次のような見解を示しています・・・。

氷河時代・氷期・間氷期
気候変動の例として,よく知られているものは「氷河時代」で,大陸上に氷河が存在する寒冷な時代を指します。46億年という地球の歴史の中では数回の氷河時代があり,現在は約200万年前に始まった第四紀と呼ばれる氷河時代の中にあると考えられています。

氷河時代の中にも「氷期」と「間氷期」があり,数万年の規模で大陸上の氷河が増えたり減ったりしたと見られます。(中略)
最近の氷期は約1万2千年前に終わり,現在は間氷期にあると考えられています。
気象庁 > 20世紀の日本の気候」様より引用


つまり、現在の地球には北半球のグリーンランドと南半球の南極に大陸氷河があるので、「現在でも氷河期は終わっていない」という事になるようです。
また、氷河期の中には「氷期」と呼ばれる寒冷な時期と、「間氷期」と呼ばれる温暖な時期があり、「現在の地球は、氷河期の中の間氷期にある」と考えられるようです。
「気温何度以下が氷期で、何度以上が間氷期になるのか?」というような定義はないようですが、氷期と間氷期の平均気温の差は4度〜7度ほどになるようです。

過去50万年間では氷期と間氷期は5回繰り返されたと考えられており、「氷期と間氷期の1セットは約10万年周期で訪れる」ともいわれますが、間氷期の期間は短く、約1万年〜数万年間となるようです。
では、「現在の間氷期はいつまで続くのか?」というと、研究者達の多くは「まだ1万年以上は続くだろう」と考えるようです。
また・・・仮に突然、間氷期が終わって氷期へ移行したとしても、地球は1万年程度の時間をかけながら徐々に寒冷化していくと考えられるようです。

つまり、少なくとも今後1万年以上は地球に氷期が訪れる事もないし、映画「デイ・アフター・トゥモロー」のような短期間での劇的な寒冷化もありえないという事になるようですが・・・



亜氷期と亜間氷期


上の欄では、「氷河期の中には寒冷な時期である氷期と、温暖な時期である間氷期がある・・・」という旨を書いていますが、更に細分化すると「亜氷期」とも呼ばれる寒冷な時期と、「亜間氷期」とも呼ばれる温暖な時期があります。

例えば、上の引用文の中では「最近の氷期は約1万2000年前に終わり・・・」と書かれていますが、その氷期とは約7万年前〜1万年前まで続いた「ヴュルム氷期」の事であり、ヴュルム氷期は年代順に温暖な「ベーリング期」、寒冷な「オルダードリアス期」、温暖な「アレレード期」、寒冷な「ヤンガードリアス期」の4つに大別されると考えられています。

ここで、注目したいのはヴュルム氷期後半の温暖なアレレード期から寒冷なヤンガードリアス期への移行で、一説によると「100年で6度もの気温の低下が起こり、約1000年間の亜氷期が続いた」といわれます。
つまり、映画「デイ・アフター・トゥモロー」のモデルとなるような劇的な気象変化が起こった・・・とみる事もできますが、そのような大規模な気象の変化を引きおこす原因として「海洋大循環の停滞説」が上げられています。



海洋大循環とは?


海洋には、浅い場所を流れる暖かい表層水と、深い場所を流れる冷たい深層水があります。
下図の赤い太線は暖かい表層水を示し、青い太線は冷たい深層水を示していますが、この流れは約2000年間をかけて海洋を一周する大きな循環であり、「海洋大循環」や「海洋ベルトコンベア」、「熱塩循環」などと呼ばれます。

海洋大循環の図
海洋大循環のアバウトな図 赤線:暖かい表層水 / 青線:冷たい深層水
元地図: 「白地図、世界地図、日本地図が無料」様 / 作成:イーコラム_地球と生物の不思議


海洋大循環が及ぼす影響は絶大で、例えば日本の札幌(北緯43度)とイギリスのロンドン(北緯51度)を比べた場合、ロンドンは札幌よりも高緯度に位置しながらも、年平均気温ではロンドン(9.7度)が札幌(8.5度)を上まわりますが、これは暖かい表層水が高緯度にまで流れる為、イギリスのみならず、ヨーロッパに温暖な気候をもたらせていると考えられています。

逆にいえば、「何らかの原因で海洋大循環が停滞してしまえば、暖かい表層水は高緯度にまで流れなくなる・・・」と考えられます。
その場合、高緯度地方は寒冷化し、氷床に覆われていくと予測されますが、「氷床は太陽光を反射するので、地球はますます寒冷化し、氷床は更に拡大していく・・・」というような更なる寒冷化への循環が考えられます。
そして、「現在の地球温暖化こそが、そのような寒冷化への循環を引きおこす原因になる」とする見解があり、その根拠となるのが約1万2000年前に起こったヤンガードリアス事件(ヤンガードリアス期)だといわれます。



ヤンガードリアス期


1.海洋大循環のスタート
アバウトに書くと、海洋大循環のスタートは北部北大西洋(グリーンランド周辺)だと考えられているようです。
海水の比重は低温で高塩分になるほど重くなりますが、海水が氷になる際には含まれる塩分の多くが放出されてしまうので、北部北大西洋では比重の重い海水が形成される事になります。
そして、比重の重い海水は沈み込んで深層水となりますが、この沈み込みのパワーこそが海洋大循環のモーターのようなものであり、赤道付近で形成される暖かい表層水を呼び寄せる原動力となるようです。

一方、赤道付近で形成される暖かい表層水は水蒸気を放出しながら北部北大西洋へと流れていくので徐々に高塩分となります。
また、高緯度に達するほど水温も低くなるので、赤道付近で形成された暖かい表層水も沈み込んでいく事になり、そのような事などからも北部北大西洋を海洋大循環のスタートだと考えるようです。


2.温暖化が招いたヤンガードリアス期?
「亜氷期と亜間氷期」の欄でも書いていますが、最終氷期であるヴュルム氷期後半には温暖なアレレード期がありました。
ところが、温暖化とともに北アメリカ大陸を覆っていた氷河が溶けだした為、現在の五大湖の辺りには日本列島ほどの巨大な湖「アガシー湖」が形成されたと考えられています。

やがて、アガシー湖を覆っていた氷河が決壊する事になるのですが・・・
「その結果、大量の真水が流れ出し、北部北大西洋の塩分濃度が薄まった事から沈み込みのパワーが弱まり、海洋大循環の停滞につながったのではないか?」と考えられ、赤道付近の暖かい表層水が高緯度にまで流れる事もなくなり、「ヤンガードリアス事件とも呼ばれる急激な寒冷化を引きおこしたのではないか?」と推測する説があります。

前述のように、ヤンガードリアス期の始まりは100年間で平均気温をいっきに6度も下げたと推測されていますが、その終わりも急激で、50年間で7度もの上昇を示したと推測されています。



終わりに・・・


現在の地球温暖化が続けば、ヤンガードリアス期の再来となるのでしょうか?
「南極の氷河がすべて溶ければ海面は65メートル上昇し、グリーンランドの氷河がすべて溶ければ海面は7メートル上昇する」といわれていますが、それ以前の段階に前述のアガシー湖のような巨大な湖の形成〜決壊があった場合には、ヤンガードリアス事件の再来となる可能性を否定できるようには思えません。

肯定派の研究家達によれば、その時期を70年〜100年後と予測しているようですが、映画「デイ・アフター・トゥモロー」のような急激な寒冷化が突然に起こる可能性も完全否定はできないようです。
その理由としては、「海洋大循環は既に30パーセントの減退を示している」とする見解に基づくようです。


参考サイト:「東京大学気候システム研究センター > The role of sea ice in the global THC」様
参考サイト:「角皆静男 > 科学A-46寒冷化」様
参考サイト:「The Road to `The Castle Gate` > 移動していった西洋文明」様
参考サイト:「BLUE FIELD NOTE > これまでの気候の移り変わり」様
参考サイト:「GeneralWorks_home」様
参考資料:「地球温暖化(株式会社ニュートンプレス)」様

2008/06/01 NEW (イーコラム)


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