イーコラム_地球と生物の不思議

「地球温暖化と北極圏の動物達」

ホッキョクグマやイッカク、アザラシなどが絶滅の危機に瀕している!
イーコラム_地球と生物の不思議地球温暖化と北極圏の動物達


「温暖化の最前線」とも呼ばれる北極圏は地球温暖化の影響をもっとも受けやすいといわれており、「地球の平均気温が10年で0.2度上昇していくであろう」と予測される事に対して、「北極海域の気温は10年で1度以上上昇していくであろう」と予測されています。
北極海を覆う海氷は急激なスピードで失われつつあり、衛星観測によるデータでは「30年前に比べると、40パーセント減少した」とみられています。

その北極圏に分布するホッキョクグマ、アザラシ、クジラ、セイウチなどの動物達に、深刻な絶滅危機が迫っています・・・。



タテゴトアザラシの場合・・・


例えば、カナダ南東部のセントローレンス湾には、毎年2月下旬〜3月中旬までに、20万頭以上ものアザラシ達が繁殖の為に訪れ、流氷の上で出産〜子育てを行います。
子育ての期間は約2週間といわれ、その後は流氷の上に赤ちゃんを残したまま、母親は北極海へと帰っていきます。
タテゴトアザラシ 撮影者: 「Flickr: Andre Boffin's Photostream」様


では、流氷の上に残されたタテゴトアザラシの赤ちゃんはどうなるのでしょうか?
赤ちゃんは生後数週間は泳げませんが、流氷が徐々に溶けだす4月頃から波の穏やかな湾内を練習場として泳ぎを覚えていき、流氷が波の荒い湾外に流れ出してしまう頃までには泳ぎ達者になるようです。

ところが、近年の温暖化に伴いセントローレンス湾の流氷は減少し、質的にも脆くなっています。
2007年には3月中旬に流氷が湾外へと流れ出し、まだ泳げないタテゴトアザラシの赤ちゃん10万頭以上が死滅したと推測されています。
同様に、2002年には赤ちゃんの75%が死滅したと推測されています。

また、生後数日〜2週間ほどの赤ちゃんを主としたアザラシ猟が行われており、カナダ政府では今年(2008年)のタテゴトアザラシの年間捕獲限度を27万5000頭としていますが・・・
個人的には、「狩猟による人為的な要因 + 流氷の減少などによる自然的な要因」などの相乗効果で、急激な絶滅に向かってしまうのではないかと思ったりします。



イッカクの場合・・・


「巨大な角を持つ鯨」として知られるイッカク。
実際には角ではなく、上顎の左側の切歯が牙状に伸びたものですが、そのイッカクに地球温暖化の影響による絶滅の危機が迫っています。
イッカク 画像: 「 Flickr: Jimbo3DC's Photostream 」様 


ご記憶の人も多いでしょうが、イッカクについては下記のようなニュースが報道されていました・・・。

イッカクの生息数は5万〜8万頭と、2万頭しかいないホッキョクグマより多い。
しかし、氷で99%閉ざされている海域で生活するため、氷が溶け出すと、天敵のシャチが生息海域に侵入する頻度が高くなるなど、気候変動への適応能力はホッキョクグマより低いことがわかった。
これら2種に次いで、ズキンアザラシ、ホッキョククジラ、セイウチの順で絶滅の恐れがあるという。
YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2008/4/26日付」様より引用


ちなみに、イッカクの天敵は「シャチ」と「ホッキョクグマ」だといわれています。
シャチは英名で「Killer Whale(キラーホエール)」と呼ばれる事からも想像できるように、鯨であるイッカクを捕食します。
* 詳細は当サイト「シャチ(オルカ)」の中で書いています。


イッカクは氷で99%閉ざされている海域に生息することによって、シャチの脅威から逃れる事もできるのでしょうが・・・
温暖化によって氷が溶け出してしまえば、侵入してくるシャチから逃れる術がないというか、例えれば、同じ水槽の中で肉食魚と金魚を飼うのにも等しい状況になるのかもしれません。
そのような事も含めて、「気候変動への適応能力はホッキョクグマよりも低い」といわれるのではないでしょうか?

一方のホッキョクグマについては、意外に思えるかもしれませんが・・・
数年前に見たTV番組では、息継ぎの為に氷の割れ目などに浮上したところを狙っていました。
その番組の中での狩りは失敗に終わり、苛立ったホッキョクグマは海中に潜ってイッカクを追いかけていましたが、それも失敗に終わっていたようです。



ホッキョクグマの場合・・・


ホッキョクグマは現在、世界に2万〜2万5000頭が生息し、米国(アラスカ州周辺)には約4700頭が生息すると推定されています。
その米国から、下記のようなニュースが報じられていました・・・。
ホッキョクグマ 画像:「サトルさん(旭川市旭山動物園で撮影)」


「米政府、ホッキョクグマを絶滅危惧種に指定」(中略)

ケンプソーン米内務長官は14日、地球温暖化で北極海の生息圏が脅かされているアラスカ州のホッキョクグマ(シロクマ)を「米絶滅危惧(きぐ)種保護法」の対象種に指定した、と発表した。
米政府が、特定の野生動物について、温暖化の影響で絶滅する恐れがあると公的に認定したのは初めて。(中略)

長官によると、北極海ではこの数十年、ホッキョクグマの移動やえさの捕獲に不可欠な海氷が温暖化の影響で激減し、「このままではホッキョクグマは約45年後には絶滅の危機に直面する」としている。
YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2008/5/15日付」様より引用



ご存知のように、ホッキョクグマはアザラシを捕食します。
氷の下を泳ぐアザラシが呼吸の為に穴から顔を出す瞬間を狙って一撃するのですが、温暖化による北極圏の氷の減少に伴い、そのような狩りのできる期間と場所が減少しつつあります。
実際のところ、カナダのハドソン湾におけるホッキョクグマの平均体重の調査では、1980年では295kgであった事に対して、2004年では約65kg減の230kgであったそうです。
つまり、ホッキョクグマは食料の確保の困難さから年々痩せ衰えている・・・と推測する事もできすが、これは過去の絶滅動物の典型的パターンでもあります。
* 詳細は当サイト「ホッキョクグマ」の中で書いています。


上の引用文では「ホッキョクグマは約45年後には絶滅の危機に直面する」としていますが、この元になるデータでは「2050年までにホッキョクグマの3分の2が死滅する」と推測しています。
また、別の試算では「今後20年以内に絶滅する可能性がある」とするものもあります。
つまり、2030年前後に絶滅してしまう可能性もあるという事になりますが、2008年1月公開の映画「アース」の中でも「(このままでは)ホッキョクグマは2030年には絶滅するだろう」としています。


そして、「ハイブリッド」と呼ばれる、ホッキョクグマとグリズリー(アメリカヒグマ)の交雑種が自然下で誕生している事も、ホッキョクグマへの絶滅の危機感を募らせています。
かつて、「ホッキョクグマとグリズリーの生息域は重なる事はない」とされていましたが、近年の温暖化に伴ってグリズリーが北上した事から、北極圏の一部では生息域が重なるようになったとみられています。

その結果として誕生した交雑種は、「地球温暖化の申し子」とも呼ぶべき存在になるのかもしれませんが、ホッキョクグマとグリズリーとの交雑が続けば、ホッキョクグマという純血種の壊滅につながります。
例えば、日本のニホンオオカミは1905年(明治38年)に絶滅したとされますが、その絶滅理由のひとつに「野犬との交雑による純血種の壊滅」という説もあげられています・・・。
* 詳細は当サイト「ニホンオオカミ」の中で書いています。




最後に・・・


北極海を覆う海氷面積は2月末頃に最大となり、9月中旬〜下旬頃に最小となります。
そして、過去30年間(1978年〜2007年)のデータから主要な最小海氷面積をピックアップすると、下の表のようになります。

1978年 2005年 2007年 2008年 20XX年
700万平方キロ 530万平方キロ 420万平方キロ ?万平方キロ

このページの冒頭部分で、「30年前に比べると、40パーセント減少した」と書いていますが、1978年には700万平方キロだった海氷面積が、2007年には40パーセント(280万平方キロ)減の420万平方キロになっています。
280万平方キロの減少・・・といっても、なかなかピンときませんが、日本列島の面積が37万平方キロになりますので、ニュースなどでは「70〜80年代と比べると、日本列島7.5個分も消失した」と書かれたりします。
同様に、2005年と2007年の比較では、わずか2年で110万平方キロも減少しており、ニュースなどでは「日本列島約3個分が消失した」と書かれたりします。

では、今年(2008年)の最小海氷面積はどうなるのか・・・というと、過去最低となる事が予測されています。
また、北極海の海氷が完全に消滅するエックスデーはいつになるのか・・・というと、2070年〜今世紀末(2100年)を予測するケースが多いですが、最近では2030年〜2040年を予測するケースも増えています。
更には、2010年〜2015年を予測するケースもあり、「早ければ、あと数年・・・」という事になりますが、温暖化の最前線とも呼ばれる北極圏への影響は予想以上に早くて、大きいという事になるのではないかと思います。

次回は、今回の内容とは相反するようにも思えるかもしれませんが、地球温暖化が続けば氷河期が来る・・・というような内容でコラムってみたいと思っています。


参考サイト:「新たな進化!? ホッキョクグマの悲鳴」様
参考サイト:「ホッキョクグマ 詳細解説 - 環境goo」様
参考サイト:「原子力委員会用資料」様

2008/05/25 NEW (イーコラム)


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