UMAコラム〜未確認生物

「タスマニアタイガー(フクロオオカミ)」

1936年に絶滅したオーストラリアの肉食有袋類
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フクロオオカミ
タスマニアタイガーとは?


・有袋目フクロオオカミ科。
・体長100〜130cm。肩高60cm前後。
・絶滅時期 : 約70年前(1936年)
・生息地 : タスマニア島(オーストラリア)
タスマニアタイガー(1926-1932年:イギリス・ロンドン動物で飼育されていた時の写真) 
画像: 「Chris Dale is a very silly rock bass player」様


上の画像のように、トラのような模様を持つ事から「タスマニアタイガー」と呼ばれる他、オオカミのような姿である事から「タスマニアオオカミ」や「フクロオオカミ」とも呼ばれるが、トラやオオカミの仲間ではなく、コアラやウォンバットと同じ有袋目に分類される。
ただ・・・コアラはユーカリ、ウォンバットは草や根などを主食とする草食性の有袋類だが、タスマニアタイガーはウォンバットやワラビー、鳥類などを主食とする大型の肉食有袋類となる。

また、他に大型の肉食哺乳類のいないオーストラリアでは、タスマニアタイガーは生態系の頂点種として、オオカミのようなニッチ(生態的地位)を占めていた。文字通り、フクロオオカミ(オオカミのような有袋類)だ。



タスマニアタイガーの悲劇


概要
本来ならタスマニアタイガーは絶滅動物ではなく、現在でもタスマニア島の自然下に生息する現生動物だったはずだ。
ところが、約70年前の1936年。タスマニア島にあるホバート動物園で飼育されていた1頭を最後に絶滅したとされる。

「なぜ、タスマニアタイガーは絶滅したのか?」
悲劇の絶滅動物として有名なタスマニアタイガーの事でもあり、ご存知の方も多いだろうが・・・
史実を元に、イーコラム・スタッフの私的解釈を交えながら改めて検証してみたい。


ディンゴアボリジニの移住とディンゴによる影響
オーストラリアの先住民族であるアボリジニは、約3万年〜5万年前の第4氷河期末期に、当時はオーストラリア本土と陸続きであったニューギニア島を経て、東南アジアから移住して来たとされる。
本来は家畜犬であったディンゴもアボリジニに連れられて来られたが、逃げ出したり、すてられたりした一部が野生化していったと考えられている。
(注・ディンゴの出現時期については2説あり、他説については後述します。)

当時、タスマニアタイガーはタスマニア島だけではなく、ニューギニア島やオーストラリア本土にも生息していたが、野生化したディンゴとは同じような食性と体格であり、両者でニッチを争そう事になるが・・・
タスマニアタイガーはニューギニア島で絶滅。次いで、オーストラリア本土でも絶滅したとされる。

オーストラリア本土での絶滅時期については諸説あるが、洞窟から見つかる歯や骨などから約4000年前〜2200年前に絶滅したとされており、その敗因については「集団で狩りを行うディンゴに対して、単独で狩りを行うタスマニアタイガーは不利だった」とされる。
ディンゴ(体長90〜100cm。生息域はタスマニア州を除く、オーストラリア全土) 
画像: 「Free For All Pictures」様



ディンゴの出現時期への疑問
上記のように、ディンゴがオーストラリア本土へ連れて来られたたのは3万年〜5万年前だとされていたが、「4000年位前に、東南アジアの海上交易人か漁師が連れて来たのではないか?」とする説があり、こちらの方が自然なように思える。
約3万年〜5万年前にはオーストラリア本土とニューギニア島とが陸続きであった事は前述の通りだが、当時はタスマニア島もオーストラリア本土とは陸続きであり、本土からタスマニア島へ移動して来た人々が先住民であるタスマニアンアボリジニとなる。

「陸続きであれば、ディンゴの一部もタスマニア島へ移動したのではないか?」と推測できるが、タスマニア島にディンゴはいない。ディンゴの生息域はタスマニア島を除く、オーストラリア全土となる。
この事から、「ディンゴが連れて来られた時代は、本土とタスマニア島が海進によって分断された約1万年前(第4氷河氷河期の終わり)以降であった為に、ディンゴはタスマニア島へ移動できなかったのではないか?」と考えられる。
以降、当サイトではオーストラリア本土へのディンゴの出現時期を約4000年前として書いていきます。


なぜ、タスマニア島では有史以降も生息できたのか?
先にイーコラム・スタッフの完全な独断である事を伝えておきます。
ディンゴを連れて来たのが、約4000年前の東南アジアの海上交易人か漁師であれば、東南アジア方面から見て表側にあたるニューギニア島やオーストラリア本土へは立ち寄っても、広大な本土の裏側にあるタスマニア島へは立ち寄らなかったと考える事ができます。

その結果、ディンゴが入ったニューギニア島やオーストラリア本土では有史以前にタスマニアタイガーが絶滅し、ディンゴが入らなかったタスマニア島では有史以降も生息する事ができたと考える事ができますが・・・
その事は他のタスマニア島の固有種の一部(タスマニアデビルなど)にも該当する事ではないでしょうか?


悲劇の始まり
1642年 オランダ人探検家、アベル・タスマンによるタスマニア島の発見。
1770年 イギリス人探検家、キャプテン・クックがオーストラリア本土、シドニー郊外に上陸。
1788年 ヨーロッパからオーストラリア本土への本格的な入植が始まる。
1803年 ヨーロッパからタスマニア島への本格的な入植が始まる。

タスマニア島への本格的な入植の始まりは、タスマニアタイガーの悲劇の始まりでもあった。
移民たちは家畜としてヤギやヒツジ、ニワトリなどを飼っていたが、タスマニアタイガーはこれらの家畜を襲う事を覚えた。
その結果、タスマニアタイガーは「ハイエナ」と呼ばれ、害獣として駆除される事になるが・・・
実際には駆除と呼ぶよりも、虐殺と呼ぶべき行為であり、銃や毒などで殺された後には骨が砕け散るほど叩きつけられたと伝えられており、その事がタスマニアタイガーの解剖学的研究、科学的研究を阻む一因だとされている。

実質的には「1888年から1909年迄の22年間が絶滅を決定づけた・・・」といっても過言ではない。
この間、タスマニアタイガーには懸賞金がつけられ、2268頭が殺された。更には1914年迄に少なくとも84頭が殺されている。
そして、遂に・・・結果として最後の1頭となるタスマニアタイガーが捕獲された。

フクロオオカミ1933年に捕獲された1頭は愛称「ベンジャミン」と呼ばれ、タスマニア島内のホバート動物園で飼育されていたが・・・
3年後の1936年に死亡。これがタスマニアタイガーの絶滅時期となる。
最後のタスマニアタイガー「ベンジャミン」
画像: 「Chris Dale is a very silly rock bass player」様




タスマニアタイガーは生きているのか?


1936年に絶滅したとされるタスマニアタイガーだが、翌1937年には目撃者が現れ、1938年には保護獣に指定されている。
現代から見れば「絶滅してから保護するのか?」というように思えてしまうが、その当時には絶滅したとは思えない風潮と目撃情報があったのかもしれない。
実際に、1937年〜2005年の約70年間に4千件以上の目撃情報が寄せられているとの事だが、その数字にはタスマニア島だけではなく、オーストラリア本土も含まれており、アサートン地方などのクイーンズランド州北部から信憑性の高い情報が寄せられているとの事だ。

その外見からオオカミやトラに形容されるタスマニアタイガーだが、意外に内向的な面もあり、森林の奥深くで隠れるように生息している可能性は否定できない。
魚類ではシーラカンス、陸生哺乳類ではチャコペッカリーのように、絶滅種が発見されて再び現生種となる例もある。


画像:タスマニアタイガー 「Chris Dale is a very silly rock bass player」様
画像:ディンゴ 「Free For All Pictures」様
参考サイト:「The website for the new generation traveller」様
参考サイト:「Australian Animals」様
参考資料:「絶滅野生動物の事典(著)今泉忠明」様

2007/09/01 NEW (イーコラム)
2006/05/27 旧サイト 


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