「シーサーペント」
目撃例、正体論などからシーサーペントを検証。 |
直訳すれば大海蛇(Sea Serpent)。
文字通り、ヘビのような姿をした海洋の未確認生物の総称であり、左の画像がシーサーペントの代表的な写真のひとつとなる。
撮影: Robert Le Serrec
場所:オーストラリア・クイーンズランド州Hook Island近海(1964年12月12日) |
海洋の未確認生物の総称としては「クラーケン」という言葉もあるが、当サイトなりの解釈で簡単に説明してみたい。
外見的には、シーサーペントが「ヘビのような姿」に限定されている事が特徴である事に対して、クラーケンは巨大であり過ぎる為に「全貌を知る事ができない」という事が特徴になる。
また、その正体論については、シーサーペントが巨大な海ヘビや古代クジラの生き残り説が上げられる事に対して、クラーケンは巨大なタコやイカ、クラゲなどではないかと考えられる事が多い。
「グロブスター(別名ブロブ)」という言葉もあるが、この場合は海岸などに漂着した「巨大生物の一部と思われる謎の物体」の総称となる。
一例としては1896年11月、米国・フロリダ州。
漂着した巨大生物の一部と思われる謎の物体(グロブスター)から推定される元の生物は、「全長60m前後の巨大なタコ(オクトパス・ギガンテウス)ではないか?」とする鑑定もある。
尚、このページではシーサーペント、クラーケン、グロブスターの相違点について記しているが、実際には密接な関係である場合も少なくない。
クラーケンやグロブスターの詳細については、当サイト「クラーケン」をご覧下さい。
紀元前4世紀
最古の情報はアリストテレス(紀元前384〜322年)の時代にまで遡るので、遅くとも紀元前4世紀にはシーサーペントに関する目撃情報が寄せられていた事になる。
古代ギリシアの哲学者として有名なアリストテレスだが、サメなどの海洋生物の研究家としても多くの業績を残しており、「リビア沖には船を襲うどう猛な大海蛇がいる」と、シーサーペントについても述べている
大航海時代(15〜17世紀)
ヨーロッパが迎えた大航海時代には、シーサーペントに関する情報が急増している。
情報が急増した理由は出船ラッシュとの相関関係にあるのだが、一説によれば300件以上もの目撃情報が寄せられたと伝えられており、1555年に出版された「北方民族文化誌(著)オラウス・マグヌス」にもシーサーペントと思われる海洋生物の図版が載せられている。
シーサーペントと思われる海洋生物
画像: 「Historia delle genti et della natura delle cose settentrionali(北方民族文化誌)」様 |
上図は巨大な海ヘビタイプのシーサーペントが船と人を襲っている状況となるが、その「北方民族文化誌」について少し補足しておきたい。
著者はスウェーデン中部・ウプサラ司教区の大司教であった「オラウス・マグナス(1490−1557年)」であり、北欧諸国の歴史、動物、自然、伝説などが記されている。
1848年、インド沖
イギリスの軍艦・ダイダロス号が東インド沖を航行中、シーサーペントと遭遇。約20分間にわたって乗組員達に目撃されている。
「全長は18m位で、ヘビのような姿だった。背中にはタテガミのようなものがあり、歯もあったようだ」と報告されており、当時の英国紙を騒がせた。
1942年12月、米国ノースカロライナ沖
豪華客船、サンタクララ号がノースカロライナ沖で何かと激突。
様子を見に行った乗組員によると、「全長18m位のヘビのような生物が血に染まった海へ沈んでいった」と報告されている。
1952年10月、米国フロリダ州
「UMAの謎と全地球水没 (飛鳥昭雄+三神たける共著)」によると・・・
ペンサコラ海岸沖約3kmで16才の少年など5人が正体不明の海洋生物に襲われ、3人が亡くなったと伝えている。
生存者によれば、「その生物は巨大なワニのような姿をした」との事であり、外見的には白亜紀の海生爬虫類である「モササウルス」や「ティロサウルス」を彷彿させる姿であったとしている。
古代クジラ生存説
シーサーペントの正体論としては、ムカシクジラ類である「バシロサウルス」の生き残り説が上げられる事が多い。
化石が発見された1840年当時には「巨大なヘビではないか?」と考える学者もいたぐらいであり、全長20m前後の細長い体形はまさしく大海蛇、シーサーペントそのものともいえる。

ステラーカイギュウ生存説
ステラーカイギュウ(別名ステラーダイカイギュウ)は現生カイギュウ類(ジュゴンやマナティーなど)の最大種であり、最大個体では全長8m以上にも達する大型海獣だった。
1768年に絶滅したとされるが、近年でも目撃情報が寄せられており、シーサーペントの正体は「ステラーカイギュウの生き残りではないか?」という説になる。
イリエワニ誤認説
イリエワニは海水への適応性が高く、過去には1000km以上の遠泳をしたと推測される例もある。
イリエワニの最大級(全長6m以上)が尾を左右に振って泳ぐ姿は巨大な海ヘビのようでもあり、シーサーペントとして誤認報告されていた可能性もある。
蜃気楼説
15〜17世紀の「ヨーロッパの大航海時代」にシーサーペントの目撃情報が急増したのは、蜃気楼との関係だとする説がある。
蜃気楼の発生は大気の温度差によって光が屈折する事から起きるが、実像と虚像(幻)が上下や横などに広がり、結果として実像よりも2〜3倍拡大されて見えたりする。
当然ながらパソコンの画像編集ソフトのような正確な拡大表示ではないので、歪(いびつ)に拡大される事になり、アザラシ等が首長竜や大蛇のようなシーサーペントに見えたのだとも考えられる。
また、蜃気楼は高さ15m位迄がよく見えるという事でもあり、18世紀以降にシーサーペントの目撃情報が減少していった理由は、船舶の大型化によって高さが20m以上となった事から、蜃気楼を見る機会が減った為だとしている。
リュウグウノツカイ誤認説
リュウグウノツカイは全長5m程度、最大級では10m前後にも達する深海魚だ。
目撃される事自体が稀である事から、目撃された場合には既存の魚類とは思えないし、印象も強烈だ。
シーサーペントとして誤認報告される可能性は最も高いように思われる。
全長約7mのリュウグウノツカイ 画像: 「Mexico Fishing News」様
1969年9月、米国カリフォルニア州コロナド島・米海軍トレーニングセンター |
新種の海洋生物説
地球表面の約70%を占める海洋だが、「調査された海洋は5%未満に過ぎない」とするデータがある。
つまり、「ほとんどの海洋(全体の95%程度)は未調査状態であり、今後も新たな海洋生物が数多く発見される事が予想される」と記しても、決して過言ではないだろう。
実際に過去1〜2年間(2006〜2007年)のニュースに目を向けてみると・・・
「マダガスカル沖(アフリカ南部)では、重さ4kgの新種の巨大ロブスターを発見」
「大西洋の深海(アイスランド〜ポルトガル沖)では、約60種の新種とみられる生物を発見」
「バミューダ諸島沖の西大西洋〜サルガッソー海では、12種類の新種とみられる甲殻類を発見」
「南極のラーセン棚氷に覆われていた海域では、30種以上の新種とみられる生物を発見」等となり、枚挙に暇がないが、何れも大型の海洋生物ではない。
大型の海洋生物となると・・・
1976年、巨大ザメ「メガマウス」の発見(最大個体では全長7m以上)。
1997年、古代魚「シーラカンスの亜種」を発見(最大個体では全長2m以上)等となるが、マクロ的視野で見た場合には、1976年や1997年は「最近の事」でしかない。
結果として今後、「シーサーペントの正体ではないか?」と思えるような姿形をした大型の海洋生物が発見される可能性は否定できないように思えるし、荒唐無稽な絵空事のようにも思えない。
全海洋の95%程度は未調査状態なのだから・・・
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