動物コラム

「ピラニア」

日本での捕獲例&ピラニアの生態、分類など・・・
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ピラニアの画像01
ピラニアとは?


分類
カラシン目セルラサルムス科カトプリオン亜科及びセルラサルムス亜科に属する肉食魚類の総称。
分布
南米(アマゾン川、オリノコ川、サンフランシスコ川流域など)
ピラニア・ナッテリー 画像:「イーコラム(神戸市立須磨海浜水族園で撮影)」


上記、分類について補足すると、ピラニアの分類は非常に難しく、諸説あふれる中での「一般論のひとつ」という認識になるようです。
下に表としてまとめていますが、「A」〜「F」の範囲で様々な分類が行われているようです。
例えば、「F」のコロソマについては意見が分かれるようで、「巨大なピラニアである」とされたり、「ピラニアのような魚だが、ピラニアではない」とされたりするようですが、管理人には詳しい事はわかりません。

カラシン目 セルラサルムス科 カトプリオン亜科 カトプリオン属 Catoprion
(ウィンプルピラニア)
A

セルラサルムス亜科 セルラサルムス属 Serrasalmus
(ブラック・ピラニア、ラインノーズ・ピラニアなど)
B

ピゴケントルス属 Pygocentrus
(ピラニア・ナッテリー、ピラニア・ピラヤなど)
C

ピゴプリスティス属 Pygopristis
(ピラニア・デンティクラータなど)
D

プリストブリコン属 Pristobrycon
(ダイヤモンドイエローピラニアなど)
E

その他の亜科 * ピラニアではないとされる(コロソマなど)
F

その他の科 * 明らかにピラニアではない(ネオンテトラなど)
G
*印は管理人の私的解釈です。




日本での発見、捕獲例(1/2)


一般的には「アマゾンの人食い魚」というようなイメージもあるピラニアですが、南米原産という事でもあり、日本に暮らす私たちには無縁な話だと思っていました。
しかし、ここ数年・・・。大阪、埼玉、宮城、東京、滋賀などの各地からピラニアを釣り上げたとか、捕獲したなどのニュースが報道されており、人への咬傷事件も報告されている。

平成11年8月22日、大阪府狭山市
住宅街の側溝に数匹の魚がいるのを見つけた男児が魚に右中指を噛まれている。市職員などが現場周辺を捜したところ体長約12cmのピラニア1匹を発見したが、他は見つからなかった。


平成12年7月25日、宮城県角田市
子供たちの遊び場にもなっている小田川で、近くに住む男性が珍しい魚を釣り上げた。バケツに入れて家に持ち帰り、つかんだ際に右小指を噛まれた。体長約15cmのピラニアだった。


平成12年11月15日、さいたま市浦和区
別所沼公園内にある別所沼で釣られた珍しい魚はピラニア・ナッテリーだった。



ピラニアへの誤解


「ピラニア類」として分類されるカラシン目セルラサルムス科の魚類約30〜40種のうち、実際に人やウシ、ヒツジなどの大型動物を襲う事があるのは、ピラニア・ナッテリーやピラニア・ピラヤなどの4〜5種となるようです。
「人が川に入った途端にピラニアの集団が襲って来る・・・」というようなイメージもありますが、これはパニック映画やメディアなどによって広められた誤解であり、実際に人が襲われる事は極めて稀な例だとされます。

ピラニアの画像02また、現地情報として引用させていただいた下の一文を見ると、「どう猛なピラニア」や「アマゾンの人食い魚」というようなイメージも、過剰に誤解された姿であるように思えます。

空腹でも、大きな川や湖では大型の温血動物は襲わず、弱った魚などを捕食しています。
従って、現地の子供はピラニアがたくさんいる湖で水遊びをしています。
面白いのは、たんぱく質豊富で、アマゾンに住んでいる人々は食用とする他、切れ味のよいピラニアの歯で散髪をしています。
「ブラジル面白滞在記」様より引用

ピラニア・ナッテリー 画像:「イーコラム(神戸市立須磨海浜水族園で撮影)」




日本での発見、捕獲例(2/2)


平成13年8月、東京都杉並区・塚山公園
大学生が公園内の池にピラニアと思われる魚がいるのを見つけ、2匹の成魚を釣り上げた。
区に持ち込んだところ、ピラニア・ナッテリーだと判明。区は池の水を全て抜いて、新たに成魚2匹と100匹以上の稚魚を捕獲した。

専門家によると、「稚魚の大きさは約1.5cm。稚魚として放流されたのではなく、この池で生まれたのではないか?」との事。


平成17年3月31日、宮城県多賀城市・加瀬沼
2匹のピラニア・ナッテリーを捕獲。既に死んでおり、沼の水温の低さが原因だとみられている。


平成17年9月12日、滋賀県高島市新旭町・琵琶湖
沖合い約1kmの刺し網に、見慣れない1匹の魚が死んでいるのを漁師が発見。
滋賀県水産試験場に届けたところ、体長約16cmのピラニア・ナッテリーと判明した。

同試験場によると、「(熱帯産のピラニアには)琵琶湖での越冬や繁殖はできない」という事だが、「ピラニアが生きている間には生態系への影響や、人への被害も懸念される」とも話している。



日本に定着する可能性?


ピラニアが日本で野生化し、自然増殖する可能性・・・。つまり、帰化動物として日本に定着する可能性はあるのだろうか?
一般的には「バカらしい話だ。熱帯産のピラニアが日本で越冬できるわけがない」となるのだろうが・・・、
単に水温だけを見た場合には、日本の亜熱帯地域や温排水が放出される湖沼などに越冬の可能性が懸念される水域はある。

では、定着ではなく、夏を中心とした限定期間ではどうだろうか?
北海道から沖縄県という広い範囲の河川や湖沼であっても、1〜数ヶ月間の生息は可能なように思われる。
「夏場だけの生息・・・」という事から、(定着する事に比べれば)やや安心感があるようにも思えるが、この期間は遊泳などのレジャー期間でもあり、ピラニアが違法放流されていた場合には、人にとって最も危険な期間でもあるようにも思える。

こう書くと、「前述のピラニアへの誤解は何だったんだ?」、「単なる建前か?」と思われてしまいそうですが、そんな事はありません。
個人的には「ピラニアが食性として健康な人間を襲う事はないだろう・・・」という方向です。
ただ、食性以外の原因で人を襲う事になる可能性はあるかと思います。

古いニュースでもあり、ご存知の人も多いでしょうが、「BBC NEWS (2003年12月28日付)」を参考にして、私的解釈を交えながらピラニアの危険性について触れてみたいと思います。



ピラニアの危険性


原産国であるブラジル・サンパウロ州での話ですが・・・、
サンタクルス・ダ・コンセイソン市を流れるモジグアス川には元々からピラニア(Serrasalmus spilopleura)が生息していたものの、川で遊んだり、泳いだりする人達が被害にあう事は全くなかったそうです。
ところが、数年前から人への咬傷事件が報告されるようになり、2002年の夏には5週間で38人もの被害者が出たとの事。

恐らく、「(タブーとされる事を守っていれば)ピラニアが人を襲う事はない」とする地域的な常識のもとで川に入っていたのでしょうから、被害者の人達にとっては「なぜ?」という半信半疑にも似た思いになるかと思います。
原因としてはダムの建設に伴う水量調節が上げられており、川がよどむような緩やかな流れになった事から、ピラニアにとっては最適な環境となり、大繁殖に繋がったとみられています。

ピラニアはホテイアオイなどの水草を巣として卵を産み、稚魚を育てるそうですが、知らずに近寄った人達から巣を守る為に攻撃したようです。
つまり、食性として人を襲ったのではなく、母性(父性)として人を威嚇したという事になるので必要以上の攻撃は加えていないようですが、足の指を切断処置された人もいるとの事です。


話は日本に変わりますが、東京都杉並区内の池で捕獲されたピラニアの稚魚は自然孵化したとみられています。
その際に、誰かが卵や稚魚を脅かす存在になっていた場合には、成魚が人を威嚇攻撃していた可能性があったと推測します。
また、他地域の河川や湖沼であっても同様なケースは起こりえる事でしょうし、そこが子供達が水遊びをするような場所であったり、遊泳場であったりした場合には、夏場に大きな事件になる恐れもあるかと思います。

前述のピラニアへの誤解の中では「人が襲われる事は極めて稀・・・」と書いていますが、以下のような状況が危険だとされるようです。
(1)溺れそうになった人が、水面を「パシャ、パシャ」と叩く音に反応する。
(2)ケガをした人の血の匂いに反応する。
(3)空腹時の群れは過敏に反応する。
(4)河川の減少によって、池などに取り残された場合は興奮状態である。

ただ、上記については「原産国の自然の中では・・・」という前置きが必要なようにも思えます。
ピラニアにとっての自然とは原産国の大河であって、日本の河川や湖沼は自然ではなく、巨大な水槽状態。あるいは上記(4)の池などに取り残された状態(興奮状態)に近いのかもしれません。
個人的には、「日本で違法放流された場合には、原産国以上の危険性があるのかもしれない・・・」と思ったりもします。



最後に・・・


ピラニア類の代表種としては、「ピラニア・ナッテリー」の名が上げられます。
大事に育てれば10年以上の飼育も可能だといわれており、サイズ的には30cm近い大きさにまで育つようです。
稚魚の値段は「数百円〜」、サイズ的には「2〜3cm」という買いやすさではありますが、「10年後の自分は30cm近いピラニアを飼っているんだ!」というような、具体的なイメージを描ける人にだけ飼ってほしいと願ってます。

最後になりましたが、このページを作成した動機は「ピラニアを違法放流するのは絶対にやめてほしい」の一言になります。


画像:ピラニア・ナッテリー 「イーコラム
参考サイト:「夜の危険な女」様
参考サイト:「ブラジル面白滞在記」様
参考サイト:「BBC NEWS : Piranha increase 'due to dams'」様
参考資料:新聞、ニュースなど

2007/09/01 NEW (イーコラム)
2005/11/14 旧サイト 


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